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想い出をかたちに。メモリアルフォトファブ ~ポメックス チップちゃん~

想い出をかたちに。メモリアルフォトファブ ~ポメックス チップちゃん~

2022年8月24日

 こんにちは。今回は、メモリアルフォトファブをご紹介させてください。  メモリアルフォトファブとは、愛犬・愛猫、その他大切な家族であるペットたちの生前の生き生きとした姿を西陣織にし、思い出と共にご自宅でお飾りいただけるフォトファブです。お写真に、お名前や肉球のスタンプなどを画像に加工して織り上げることが可能です。想いを込めて撮影されたお写真に、思い思いに加工していただくことができます。 そんなメモリアルフォトファブですが、今回は弊社代表の井上と共に、16年間過ごしてきたチップちゃんについて、ご紹介させていただきます。    チップちゃんは、2022年7月2日(土)14時50分に旅立ちました。 お誕生日である5月31日に16歳を迎え、ご家族皆さんでお祝いをしていたのがつい先日のことのようでした。6月中旬くらいから、食欲がなくなり病院で検査をすると多臓器不全との診断を受けました。そこからは、点滴などで回復を祈っていましたが、それも効果を得られず、回復の見込み無く、6月末からは自宅で看病を続けてこられました。いつ旅立ってしまってもおかしくない状況でしたが、家を出られている娘さん、息子さんが戻ってくる日を伝えると、それまで声も出せない状態だったのに、チップちゃんは何度も声を出して頑張って痛みを堪えていたそうです。ご家族全員が揃ったところを見て安心したように、全員が見守る中、チップちゃんは安らかに旅立ちました。きっとご家族全員が揃うのを待っていてくれたんですね。 お葬式をあげ、肉球のスタンプを取ってもらわれたそうです。これまでいつもそばにいて、たくさんの季節を共に過ごした大切な家族です。離れがたく、なかなか受け入れがたい出来事だと感じます。    いつまでもチップちゃんは心の中に生き続けていますが、形あるものに残すことも大切だとメモリアルフォトファブを制作することにした代表。生前のチップちゃんのにこやかな写真に名前と肉球の陰影を加工して、フォトファブにすることにいたしました。 完成品は、きらきらと毛並みが輝き、愛らしい表情が生前の様子そのままでした。「もしかしたら、今も隣でおやつを欲しがってこっちを見上げている気がする。」と代表がぽつりと呟いていました。    大切な家族の生前の表情を鮮明に織り上げる西陣織の技術。細く繊細な絹糸でゆっくり丁寧に一つ一つを織り上げていきます。織り上がった西陣織は、ひとつひとつ手作業で額装し、皆様のお手元にお届けしております。一枚のお写真に込められた想いや愛情をしっかり織り込んで仕上げております。いつまでも、皆様のお傍で、きらきらと輝きを放ってくれるメモリアルフォトファブです。   最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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京都西陣で触れる織物の世界

京都西陣で触れる織物の世界

2022年4月19日

カラン、コロン、カランと小気味よく回る糸操機。 ある日の朝、京都 西陣の織元の工房を訪れました。 一歩、工房内に足を踏み入れると、そこはどこか懐かしい空間が広がっています。 懐かしさを感じるのは、歴史を感じる建物の構造のせいか、時折、屋内を通り抜ける風が心地よく感じられる日でした。 京都の町屋に見られるうなぎの寝床と呼ばれる、奥へ奥へと続く空間。 奥行は深いが、暗く感じない考えられた採光や風通しのよい造り。 祖父母の家のような雰囲気をどこか感じるような、タイムスリップした心地になる空間です。   耳慣れないけれど心地よいリズムが至るところから聞こえます。 あたたかな日差しが差し込む工房では、陽光を受けた織機がガシャン、ガシャンと一定のリズムを奏でながら何台も稼働していました。   織機はそれぞれが極色彩の布地を織り上げているが、同じ柄は存在しないのです。 日の光に繊細な絹糸がゆらゆらと煌めいて、風にふわりと揺らめいて、その様子を眺めるだけでも、心が整っていくような気になります。 熟練の技術を持つ織手さんたちが手慣れた仕草で糸をつなぎ変えたり、細かな調整をされたりと動き回る姿がお見受けできます。 織機が何台も稼働していて、忙しそうに見えるが、技術を持つ織手さんの数も減り、一時のことを思うと西陣織の技術継承が難しくなっているそう。 それもそのはず、織手の方が一人前になるまでに必要な期間は数年から10年はくだらないとのこと。こんなにも細い糸を間違うことなく繋いだり、色を変える作業をされていたり、途中で切れてしまったらそこも修復する。根気と技術と集中力が必要な作業ばかりです。   そんな風に丁寧にひと織りひと織り見守られ、ゆっくりゆっくり織り上がってくる布地を見ているとため息のでるような繊細さです。 絹糸は一本一本が髪の毛よりも細く、その細い糸を高密度に織りあげていくので、細かな柄も表現ができると織元さんが話してくださいました。   Photofabも、この高密度で繊細な絹糸を織り上げる技術に支えられ、写真を絹織物に織り上げることができるようになったことで実現できたサービスです。 様々な種類の生き物の毛並みを表現する艶や影。 それを細かく映しこんでいく、そんな気の遠くなるような作業が工房の中で行われていました。織上がった布地は角度を変えるときらめきがかわり、そこにいる愛らしい生き物が、今、動いたのでは?と思うほど鮮明でした。   あなたが愛情をこめて撮影した一枚のお気に入りの写真。 それが、たくさんの人の匠の技術とあたたかな眼差しを受けながら、伝統の西陣織に生まれ変わる現場がそこに静かに広がっていました。

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